No.104 (フランス七月革命と英の自由主義改革) :
「19世紀前半の英の自由主義改革とはどのようなものか?」
1828年に審査法が廃止された翌年カトリック教徒解放法が成立し、宗教に関
係なく公職に就けるようになった。また第1回選挙法改正で、選挙資格が資
本家(ブルジョワ)に拡大されるとともに腐敗選挙区が廃止された。経済面
ではそれまで地主を保護していた穀物法の廃止で小麦の輸入が自由化され、
航海法も廃止されて資本家の求める自由貿易が実現した。
<評価の観点>
関心・意欲・態度:
「19世紀はイギリスの世紀」と言われ、「パックス=ロマーナ」にちなんだ
「パックス=ブリタニカ」という言葉が象徴するような全盛期を迎えようと
しているイギリスについて、大きな関心を持ちながら学習に臨んでいる。
思考・判断:
19世紀前半のイギリスにおける自由主義改革を、宗教・政治・経済の三つの
内容で整理し、それぞれの目的や手段について、時代の要求を把握しながら
考察している。
資料活用の技能・表現:
腐敗選挙区とされた地域の、産業革命による人口の変動グラフから、その廃
止を主要な内容の一つとする第1回選挙法改正の必要性を読み取っている。
知識・理解:
地主(ジェントリや富裕なヨーマン)中心の時代から、近代的な産業資本家
中心の時代に移り変わるイギリスが、「世界の工場」として国際社会をリー
ドするためには、選挙法改正や審査法・穀物法・航海法の廃止等の自由主義
的な国内改革が必要であったことについて、基本的な知識を身につけている。